朝日が眩しい別府湾、テラスから入る真夏の太陽で目が覚める。海ぞいのマンションに住むとこんな感じなのだろうか、海に反射するから1.5倍の明るさで目も眩むようだ。海を望む家が良いか?山を望むが良いか?考えると絶対に山だ。海は四季を通じて変化なく、山はドラスティックに変化するから、飽きない気がする。だって別府湾は朝から入る露天風呂でもう飽きてきた。遠くサンフラワー号が見えるが、それしか変化が無い。サンフラワーか懐かしいな。
今日もフェリーで移動、四国に渡る。関東じゃ考えられない交通手段だけど、瀬戸内や九州ではフェリーがすごぶる便利だ。車を入れて船旅を楽しめば、九州から四国まで1時間で着く。ここ別府から四国は距離も長い、本来は最新の高速フェリーが良いが、標準的なフェリーしか運行していない。途中の海が綺麗だ。そういえば道すがら見える景色は大自然と合わせて、高い煙突や、タンクなどが見える。これは四国に入ってからも思ったけど、海沿いは船が着けるし、冷却水も豊富だから重工業が盛んな事はわかるが、都心より多いかもしれない。残念。
5分前に到着、めんどくさい車検証を出して、料金を払う、1万くらいかな、まあまあ高い。そしてコロナのせいで人が少ない。ほぼ貸切だ。バイバイ九州また来るよ。
九州を後に再度四国に向かう。四国の橋を一筆書きの様に渡る為だ、そして四国の山の中にある四国カルストに行くという強敵なミッションがある。乗り込みから出るまで1時間半かかり四国に入る。そこからは下道でカルストに向かうのだけれど道が険しそうだ。ここからカルストに行く人は少ないだろうから、整備もあまり期待できない。
とても綺麗なフェリーターミナルでみかんジュースを買う。先を急ごう。市街地を抜け途中の道の駅でポカリとトイレ休憩を済まし、先を急ぐ、最終目的地はなんと倉敷だけど、ナビ的には高知を抜けて行くことになり距離は400k以上はある。そして半分は下道、山道だし、宿到着まで日が暮れないというミッションもある。厳しい。 市街地を抜けると素晴らしいいワインディングだ、これなら早く着けそうだがグーグルの情報だと、まだまだ先である。さらに途中雨による、道崩壊で通行止めマークが、進むと迂回路があった。迂回路あるなら通行止めマーク要らない。普通戻るよ。 ここまでは順調だ。四国に入ったのは12時半なので、計算上カルストに3時半、4時半発 高知抜けて7時に着けば完璧だが、いやいやとんでもない。グーグルに寄ればこの予定だと9時着だ。そして宿の食事は7時からだ。
途中遭難したかと思うぐらいの酷道を走り、イノシシしかいない県道を走る。もはや狭すぎてナビもあてにならないし、360度山で、民家らしき集落も無いので、ここで何か起きたら本気で遭難だ。携帯の電波も弱く、かろうじて入るのはドコモだけだ。 対向車が来たらアウトな山道を1時間以上走り、広い道に入るとまた狭い道、これを繰り返して、写真を撮る事もなくひたすら走る。もうこうなるとラリーに参加してる様だ。レンジローバーじゃなければ諦めてた。そして山を一気にクライムするとパット開けた場所があった。3時13分着、素晴らしい。四国カルストだ。
360度果てしない山に囲まれたエリア、目隠しされてここに連れて来られたら、どこに行くにしても絶望的な気分になりそう。何しろ地平線が山なんだから。関東では絶対に見れない地平線が山。通常高い山で地平線が遮られ、その山の向こうには何かあるかもしれないという期待も持てるが、ここだと延々山という絶望感がある。いや絶景だ。
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絶望の絶景を楽しんでドローンを飛ばすも大方のドローンの規制対象外の愛用のMavicMINI電池切れ、急遽Mavic AIR2を取り出す。凄いよ静かだし高速だ。でも時間がないからそそくさ退散。もう3時50分 グーグルに寄れば到着は8時、車のナビだと絶望的な時間だ。
動画をメインにしながら先を急ぐ。後4時間も走るのかーもうこれは試練だな、この旅で最大の時間走る事になる。下りはブレーキが危険なくらいな降り、しかも早い、高知に抜けるルートは道が広く走り易いからまだ楽だ。吐きそうなほどワインディングを楽しめば、高知近郊の町に到着。そこからほど近い須崎東インターを目指す。既に5時、思ったより早く1時間ちょっとで到着。ここで20分くらい短縮。 先を急ごう。
田舎の高速に入ると、1車線の低規格の高速だ、車は少ないが、一台トラックが前にいれば速度が落ちる。仕方ない、高知までは流れに乗る。 まさかこの旅で高知に来るとは思っていなかったけど高知通過ー。そして此処から二車線になって、四国を縦断するのだ。途中で侵入してきた早いペースメーカに遭遇、着いて行く事に、、いやはや早いぞ。到着時間がぐんぐん速くなる。こんなペースってこんな田舎であり得るのか?と言うペースで四国のトンネルと緩いコーナの続く高速を走る。走行車線の車も速いけど高知の人は飛ばし屋なのか?アップダウンも続いて、全くもってよそ見も出来ないペースだ、景色なんか見てられない。瀬戸内も近い長い上りのトンネルでレンジも悲鳴をあげて、出力低下などと言う初めて見る警告が出る。アクセレーションには変わりはないが、心配だから速度ダウン、もうすぐ分岐だし通常速度に戻す。びっくり仰天到着時刻は高速内だけで30分早まって、なんとか明るい内に着きそうだし、飯にもあり着けそうだ。素晴らしい。
遠く積乱雲が見える、瀬戸内海方面だな。途中米塚みたいな小高い山群発見、これはフランスのクレルモンフェランに似てるかもしれない。あまり知られていなさそうだが、ここは日本のクレルモンフェランだ。今度調べよう。
瀬戸内海を渡る、これで四国の本州と結ぶ全ての橋制覇だ。そして此処は唯一の鉄道兼用橋だ。まだ日が出ている、最後まで気は抜けないが、倉敷はもうすぐだ。
やった夕焼けの綺麗な倉敷到着。ミッション達成、若女将が迎えてくれて、車を近くのパーキングに停め宿に入る。280年の歴史ある旅館で、坂本龍馬も泊まったらしい。倉敷では由緒ある旅館だ。なんと言っても歴史的町並みにあるのが良いし、まさに旅館自体も観光施設だ。
部屋は昔ながらの古い家という感じで、タイムスリップした様だ、独身の可愛らしいと思われる若女将の顔がマスクで見えないのは残念だが、そしてこういう旅館なら女将とツーショット写真でも撮りたいがマスクの女将じゃ撮る気も起きない。でも色々話ができた、歴史を守るのは大変だ。 檜風呂で汗を流して、食事の時間だ、思ったより早く着いたので、よかった。そういえばお昼も食べてないなぁ。
どれを取っても伝統的な美味しい和食だ。流石倉敷で長年続く、割烹懐石の旅館だけの事もある、因みに客は我々ともう一人、そして接待と思われる黒塗りの車で来ていた、食事だけの数人だけだ。コロナで本当に空いてるらしい。いやもうそれは今回で痛烈痛感だ。
ほろ酔い気分で、街を散策してみると、素晴らしい景色、人が少ないじゃなくて、誰もいない倉敷なんてあり得ない。これが夏休みシーズンなんだから、もしや異次元空間い舞い込んだ様だ。人を強制排除しない限りはこんな写真は撮れない。そして此処に泊まらなければ見れない景色だ。
月明かりに照らされた古い街並みが美しい。300年前紡績等で、財を成した人達が此処で暮らしたと思うと感慨深い。電柱が無いから、街並みが映えるな、日本の価値を落としてるのは電柱だ、コロナ対策の予算で、日本中の全ての電柱をなくして欲しい。
280年前の薄暗く、天井の低い部屋で布団に入れば、気分は江戸時代だ。どうも倉敷の此処は租税回避地だったらしい、現代こんなところあったら私も住みたい、そんなことを思いながら、これも又良し、お休みなさい。