感染者が増えると株価も上がるという狂った世の中で、そろそろ本格的に経済が破綻するんじゃないの?って時に、アストンを二台も乗り継いだアストン好きとしては、WEBCGで松任谷がべた褒めしていたアストンマーチンDBXがやっぱり気になって。再度試乗してきた。
前回は雨でさらに夕方って事もあってあの時は印象も良くなかった。すごく良かったら買う気満々で行っただけに、今回TVでのインプレ見たら、え?何そんなに良いの?て事になって、そりゃそうだよな、550馬力の高級車の印象は、雨じゃ判らないよね!。という事で、昼間明るい時間に高速含んでの試乗となった。
さてさて時間も少ないので、世間話もそこそこに、試乗となった、今回は前回のグレーに変わって白の車体、途中来る時見かけた車だが、とっても目立ってたが、キャラには合わない感じだ。デザインは有機的で、曲線が多く、面構成が複雑だ。アストンらしいといえば、アストンらしいアイコンもあるし、車好きならアストンとすぐわかるデザインで、誰が見ても高級車に見える。ただ無条件にかっこ良いかといえば、レンジの方が洗練されてるし機能的でカッコいいが、何処にも無いアストンらしいデザインだ。乗り込むと動物愛護が如何のこうの言ってる割にはオールレーザでとっても豪華。まあ動物愛護とかいうなら、牛も豚も鳥も全ての生き物は食べないでほしい。でも確かに代用品があるのに、過剰な虐殺は制限は必要かもしれないがこの辺コロナもそうだけど、科学的じゃないんだよね。コロナの命は大事でもそれ以外の命は全くもって、話題に乗らないし、動物は食べまくってるけど、動物の皮は駄目とか、説得力なし。横道それたのでインプレに戻ろう。
豪華そうな室内はベンツのそれを流用してるから、そこそこ使いやすくて信頼性もある、アストンには珍しく使えるナビがあると言うも良い。エンジンを掛けると拍子抜けでAMGの派手な演出は控えめだ。
走り出しは穏やかで、小回りが苦手、この回転半径だとオフは厳しいと思う。そんな感じで公道に出て高速を目指す、高速までの下道はいたって普通の車、少しタイヤからのショックに硬さがあって、明らかにレンジローバーより硬いし、ここまで乗ってきたr8と同じかも知れないと言う印象はあるけど、許容範囲内だがスポーティーにそこそこ硬い。その代わりエンジンの音はジェントルで、AMGのようなドロドロ言うこともなく軽快で普通。なんだか500馬力超えのハイパフォーマンスエンジンの車とは思えない。ロードノイズも比較的抑えられてて、静かな方だと思う。少なくともレンジローバベラールよりは静かだ。
さてさて肝心の高速に入る。再度の緊急事態宣言ということもあり、高速は空いてて、最高の試乗環境だ。アクセルを踏み込むと、意外にターボラグも感じず加速する、でもなんだか加速感があまりない、早いの遅いのか判らない、RS5みたいに少しタメがあって分厚いトルク歯切れの良い乾いたサウンドで加速するでもなく、自然吸気エンジンのようなフィーリングで比較的印象の無い音を伴って加速していくが加速感が感じられない。 モードを変えてみたがそう変わらないから、とっても不思議。車重が重たいからかなと思ったけど、月並みの2.5トンくらいだし、トルクを聞いたら70kgというから更に不思議だ。首都高のコーナはなんといっても目黒線に限る、連続S字コーナがあって空いてるのは、都心ではここしかない、ある意味勾配のないターンパイクだ。目黒線に入って限界8割くらいでコーナに入ると、車体はほぼロールもせず安定して曲がっていく、更に出口に向けてアクセルを全開にしても、普通なら怖いくらいロールして、フロントが逃げ出しそうな場面でもタイヤが食いついて、すっ飛んでいく感じが少ない。それでも重量があるから生粋のスポーツカーの様には飛ばせないが、SUVということを考えればコーナ限界は高いし、スタビリティも高い方だ。なるほどこの為にダンパーが硬いのかということを理解したが、この手の車でここまで飛ばすと本当に疲れそうだし、そんな走りは公道じゃ中々機会もないから、ちょっと宝の持ち腐れ感を感じた。
まあそれはそれで所有感も高まるから良いとして、確かにハンドリングはいいし、アクセルとエンジンのフィーリングも良い、5000回転を超えれば比較的スポーティーなエンジン音も聞こえてくけど、500馬力超えがわかりにくい滑らかな加速をする。
松任谷はインプレしながら良い良い言ってたけど、私は終始無言だった。ハイペースでは運転に集中することで一杯一杯で最早喋りながらなんて不可能だと思う。なので松任谷は余裕のあるスポーティな走行ってことだと思うし、まあそうだよね。重い車だから本当にきを使う。行くときは一気だもんね。 リカバリも動作が派手だ。
では喋りながら走る様な一般的なスポーツ走行ではどうかというと、エンジン音も大人しいし、ロールもそもそもしないし、DBXならではという場面が無い。 松任谷は褒めすぎだな。多分基準がアストンのDBSとかと比較してという感じかも知れない。
帰路はゆっくり高速を流して帰ってきたが、この車は確かにパフォーマンスは高いけど、それを活かすにはそこそこのスキルもいるし、燃費もリッター2k程度まで落ちるだろうから、なんか現実的に宝のもちぐされ感が強い。また70kgもスペック的にはある高トルクエンジンだけど、体感は50kg程度の加速感で、通常のシーンでエンジンのパフォーマンスを感じることも少ないと思った。コンセプト的にはスポーティーなSUVということだろうが、重くてでかいSUVにスポーティは物理的に難しく、スポーティにすると常用のシーンで快適性とかトルク感とかまったりとした特有の乗り味が薄れてしまうのかも知れないと思った。
そうなると、この一台でというのはセレブが購入する高級車なんだから、一台だけということもなく、スポーツカーは専用のものを所有して、ゆったり乗りたい時はSUVという二台持ちの選択になるだろうから、DBXは難しい車だと思った。ある意味とっても難しいことにチャレンジしたアストンは凄いと思う。DB 11なんかより圧倒的にコストかけてるのに安いし、総重量3トン近い車が2トン以下の車の特性に近くしたいというのは物理的に無理がある、やっぱりスポーツ選手はみんな軽くてスリムだよね。
でもどう思い返したって、松任谷のインプレは変だな、電気自動車とか偏った車ばかり乗ってるからかな。もしくはもう歳で感性が低下したのかな。いやそうだよ、自家用車はGT3とテスラだし、同じくべた褒めの田辺さんなんかもう老人で、自己所有車はコンパクトのBMWだもんね。もうあまりあてにはならないな。
結果的に欲しい病にはならなかったわけで、何か買いたい病の私としては、それはそれで残念だった。理由は総合的に見て、これなら半額で買えるデザインでは劣るマカンGTSの方がエモーショナルで全然いいと思ったし、二台持ちならやっぱり乗り味が良くて、ゆったりとした気分が味わえる、レンジの方が選択肢としてはアリだと思った。強いて言えば、都心の高級マンションに駐車場が一台しかなくて、スキーもいくし、ゴルフも行くという少しアウトドアな目立ちたがり屋のおじさんにはいいと思うけど、生憎車は二台持ちが好みだ。そうねそうだよ、マカンGTSやディーゼルのクワッドターボのアルピナXD4も気になるし、レンジの新型も気になるなー。コロナでこの先どうなるかわからないし、色々心配だから、もう少し様子見て本当に良いなという車が出るまで待つかな。